2013年5月10日金曜日

映画「蒲田行進曲」を想う

あのテンポに圧倒された。

深作欣二は天才だと思った。

負けたと思った。

映画人にはなれないと思った。

泣いた。

感動した。

アパートの二階から放り投げる布団、走っている車のフロントガラスに飛び乗るシーン、

爆風と共にビルの屋上から落下するシーン、コレがコレなんで・・・・と小指をたてるシ

ーン、帰郷での小さな駅の歓迎ブラスバンドのシーン、ヤスが小夏にあたり部屋中を破壊

するシーン、待ちに待った階段落ち、そしてラストの「カァーット!」。

もう何から何までが「濃い」のである。

名作?秀作?いやいやダジャレではないが「フカサク」なのである。

映画人の人生をあのような形で描き切ったフカサクはおそらく自分を

撮ったのではないだろうか。

映画が好きで好きでたまらない人たちへの賛歌。

裏方への賛歌。大スターへの賛歌。素晴らしい映画として後世に残ることだろう。

でも、将来、誰かに挑戦してもらいたいものだ。

「現代版蒲田行進曲」なるものを。指揮者で変わる交響曲のように、監督で変わる映画と

いうものがあってもいいのではないか。

寅さんシリーズならぬ蒲田行進曲シリーズ。

監督は毎回変わる。

毎回手腕や才能が試される厳しい試練としての映画づくり。

四年に一度くらいでどうだろうか。

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